仮想通貨の用語集

ICO

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは企業や団体が株の代わりにビットコインやイーサリアムなどの流動性のある仮想通貨と交換できるトークンを発行し、新事業に必要な資金を集めることです。投資家は新事業のサービスや製品をトークンで購入できるほかトークンを市場で流通した段階で上場先の仮想通貨取引所などを使って換金することが出来ます。

アルトコイン

アルトコイン(オルトコインともいう)とは、Alternative Coinの略で直訳するとビットコイン以外の暗号(仮想)通貨です。ほとんどはビットコインを元にしたもので、暗号通貨としての根本的な仕組みはビットコインと変わりません。全世界で1500種類以上現在はあるとされています。代表的なアルトコインに、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ドージコイン、日本発祥のモナーコインなどがあります。

またコインを価値の交換以外に使われる用途を持ったコインは機能性コインとも呼ばれ、Ether、Augur、Nameコインなどがあります。

暗号通貨

暗号通貨(Cryptocurrency)とは暗号理論というセキュリティ対策として暗号技術がベースになっている通貨で日本では仮想通貨とも呼ばれています。広い意味で言うと、従来の電子マネーやオンラインゲームの中で利用できるゲームないの通貨も含んでしまうので、暗号通貨というのが、正確です。

暗号通貨の最大の特徴は、P2P型であり通貨の発行主体がいないことで、発行ルールがプログラムのコード内で規定されているという点です。2009年にはBitcoin(ビットコイン)が初めての分散化された暗号通貨として登場しましたが、今では把握しきれないほど日々、暗号通貨が出来ています。ビットコイン以降の仮想通貨のことをbitcoin alternative(ビットコインの代替)から来る造語の altcoins(オルトコイン)と呼びます。

暗号通貨の統制は分散化されているので、銀行のような集約化されている銀行システムとは対照的です。この分散化された統制はビットコインの分散型台帳ブロックチェーンという技術によって構成されています。

ウォレット

ウォレットは直訳すると財布。仮想通貨の用語としては、秘密鍵を持つ(つまり自分の)ビットコインアドレスをまとめたののことです。ビットコインは電子データですので、専用のビットコインウォレットに残高を記録することで保有しています。ウォレットにパスワードを設定して、自分だけが利用できる形で管理するのが一般的です。

ウォレットサービスの詳細はそれぞれ違いますが、受け取り用のアドレスを複数個用意したり、おつり用のアドレスをそのつど生成したりするので複数のアドレスをひとつのウォレットとして扱うことが出来ます。

ウェブウォレット

ビットコインの財布には、デスクトップウォレット(PC上の財布)、ウェブウォレット(Web上の財布)、モバイルウォレット(スマートフォン上の財布)、ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)、ハードウェアウォレット(専用財布端末)があります。

どのウォレットにも一長一短ありますので、詳しくはビットコインを管理するのはウォレットですのページを参照ください。

仮想通貨

仮想通貨とは、一国の中央銀行など公的な発行主体や管理者が存在せず、インターネットを通じて不特定多数の間で物品やサービスの対価に使用できる通貨です。仮想通貨取引所を介すことで円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換できます。現在、仮想通貨の種類は1500種類以上あるとされています。

4月に改正された資金決済法の中で、仮想通貨に関するものは、資金決済に関する法律 第二条 5による定義は下記の通りです。

❝ 一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの ❞

とされています。

採掘(マイニング)

採掘(マイニング)とは新たなブロックを生成し、その報酬としてビットコインを手に入れることです。ビットコインの計算は中央サーバーで計算するのではなくこのような採掘をする人(マイナー)によって計算がなされます。技術的には数学的な計算を繰り返し行い、特定の条件を満たす解を見つけることで、ビットコインが始まった頃より遥かに計算が難しくなっているので、たくさんのハードウェアと電気代がかかります。

採掘者(マイナー)が採掘をする行為によってビットコインのP2Pネットワークが維持されています。このおかげでビットコインをネットワーク上で送付することが可能になっています。

採掘報酬(コインベース)

採掘報酬(コインベース:Coinbase)とは採掘(マイニング)により新たなブロックを生成した採掘者(マイナー)がその対価報酬として得るビットコインの取引のことです。ビットコインは採掘時のみに新規に発行されるため、新規に発行されたビットコインは、採掘に成功した採掘者に報酬として支払われます。

最初の採掘報酬は1ブロック毎に50BTCから始まり、210,000ブロック毎に半減し、6,929,999番目のブロックが最後の採掘報酬となります。発行されるビットコインの上限は約2100万BTCです。報酬額は上記のように半減していって、発掘のスピードは10分間に1ブロックとなるように調整されています。6,929,999ブロックの発掘に要する期間は約132年で最後のブロックの発掘は2140年頃となる予定です。

承認

ビットコインにおける承認とは取引(トランザクション)が新たなブロックに含まれることを指します。取引がどのブロックにも属していない場合は認証されていないという事です。いずれかのブロックに属して初めてその取引が認証を得たことになります。取引の属するブロックの後に他のブロックが追加されることで承認数がどんどん増えていくことになります。

この際、ブロックチェーン上で支払う手数料が低い場合などは中々ブロックに含まれないので未承認の時間が長くなるようになっています。孤立ブロックであっても承認には違いません。しかし、孤立ブロックの枝は通常2つくらいしか伸びることがないので、2承認くらいまでになります。

一般的に6承認を取っていると、ほぼ間違いなく安全であると言われていますが、事業者のシステム不具合により過去6承認をとったトランザクションでもロールバック(データ更新などで障害が起こったときに、その前の状態にまで戻ること)されたことがあり、安全な事業者を選択することも重要です。

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題とは、ビットコインがブロックチェーンと呼ばれる分散台帳システムで動いていますが、取引の記録が約10分ごとにブロックに書き込まれていき、新たなブロックが生成されていきます。このブロックサイズは1MBと決まっており、データの処理速度がその他決済システムと比べると非常に遅く(クレジットカードの処理速度は20分の1以下で処理が出来ると言われています)なっています。

今後ビットコインが通貨として流通するとデータの処理が追い付かなくなってしまう事が懸念され、これをスケーラビリティ問題といいます。

ソフトフォーク

ソフトフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルに規定された検証規則をより厳密なものに変更することによって生じるブロックチェーンの分岐のことです。簡単に言うと、ブロックチェーンは最初から連なる一つのデータの列なので、仕様を変える際にはそれら全ての仕様を変更する必要がありますが、以前の仕様も使えるままにする方法のことです。

古い検証規則を利用する検証ノードも含めて、すべてのノードにおいて有効とみなされるので、新しい検証規則を採用する前提に立っても、恒久的な分岐を生じる可能性はほとんどありません。いずれ新しい検証規則のブランチへと収束していきます。※ハードフォークも参照

電子マネー

電子マネーの定義は、紙幣や硬貨を使わないで、電子上で(=データのやりとりで)決済出来る手段の事です。主にプリペイド式として認識され、オンラインで決済を実行するタイプや、非接触型の決済方法もあります。電車の改札やコンビニなどの支払いに利用するものです。 ビットコインと電子マネーは異なるものです。主な違いは以下です。

電子マネーは発行者・管理元がありますが、ビットコインはありません。新規発行する場合、電子マネーは、現金を預託することで対価として発行されますが、ビットコインは、採掘(マイニング)というビットコインネットワークへの協力行為の対価として発行されます。電子マネーを受け取った場合は、第三者への支払には使えず、電子マネーの発行元で換金する必要がありますが、ビットコインは受取、支払ができるので容易に流通出来ます。

電子マネーは採用している事業者(鉄道会社やキャリア、小売事業者など)ネットワーク内でしか利用できませんが、ビットコインはインターネットに接続していれば誰でも容易に利用できる点が電子マネーとビットコインの違いです。

トランザクション

ビットコインのトランザクション(取引)とは、複数のTxIn(支払元)と複数のTxOut(支払先)によって構成されています。すべてのTxInは秘密鍵によって署名する必要があり、TxInの合計数量とTxOutの合計数量の差が手数料となり、ブロック生成時に採掘者は報酬として手に入れます。

TxInにはアドレスや数量も書いておらず、支払いもとのコインを入手したトランザクション(ハッシュ)とそのトランザクション内のTxOutの何番目かのインデックスしか書かれていないので、TxInの合計数量を計算するには1億以上あるトランザクションから対象となるトランザクションを取り出さなくてはなりません。

取引手数料

ビットコインにおける取引手数料は、ビットコインを送付する時に採掘者(マイナー)へ支払われる手数料です。取引手数料は取引データの「サイズ」で決定されるので1キロバイト以下、0.01BTC以上などのいくつかの条件を満たすことで手数料無料で送金することも可能です。通常、少額の取引だとおよそ0.0001BTCが必要となり、手数料を多く支払えば、トランザクションが優先的にブロックに含まれるように採掘者(マイナー)に対して指示をすることも可能です。

ナカモトサトシ

ナカモトサトシ氏は、2009年にビットコインのアイデアをネット上に発表、ビットコインプロトコルと参照ソフトウェア Bitcoin-Qt を作ったことで知られる人物ですが、実際の正体は謎に包まれており、日本人かどうかもわかりません。こんな画期的な発明を惜しげもなく発表した人物なのでどんな方なのか世界中で注目されています。

ハッシュ

ハッシュとは、元々細切れにすると言うような意味で、データを変換して得られる固定長のデータのことです。データを「細切れにして」何かしらの値を取り出す関数のことを「ハッシュ関数」といい、データの改ざんを検知したり、パスワードの照合、データ検索の高速化などに用いられます。

イメージとしては、「ハッシュ」≒「暗号化」と大変よく似ていますが、暗号化は暗号したデータを復元(復号)できるのに対して、ハッシュは復元できないという大きな違いがあります。

ビットコインの場合、アドレス(財布)=公開鍵のハッシュ値であるため、ビットコインの取引では、ハッシュと暗号化(公開鍵暗号)を利用するデジタル署名が行われています。因みにSHA-256というハッシュ関数がビットコインでは利用されています。

ハードフォーク

ハードフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルに規定された検証規則を緩和することで発生してしまうブロックチェーンの分岐のことです。といきなり難しい話になりましたが、簡単に言うと該当する仮想通貨のルールを変える際に旧ルールを無視して、新しいルールを適用することで旧ルールの互換性が無くなる事です。

旧仕様との互換性がなくなるので、なくなる期限までにアップデートをしないと旧仕様のまま取り残されてしまし、理論上、「旧仕様」「新仕様」どちらの仮想通貨も存在することになってしまいます。ハードフォークに対して、ソフトフォークもあります。

ハードフォークの際には、新しい検証規則を採用しないノードは、新しい検証規則に則って作成されたブロックおよびトランザクションを無効として却下する可能性があるため、新しい検証規則を採用するノードと、採用しないノードとの間で、判断に不一致が生じ、恒久的な分岐を生じる可能性があります。※ソフトフォークも参照

ビットコイン・コア

Bitcoinの公式クライアントであり、ビットコインの本家本流で、現在ほとんどがCoreに実装されたプロトコルを継承して利用されています。以前のバージョンは利用する為にインストール後数時間~1日以上かけてすべてのブロックチェーン(取引履歴)をダウンロードする必要がありましたが、同期に掛かる時間が劇的に短縮されました。取引手数料の調整が可能になったことで、取引手数料を多めに支払うと取引の承認までの速度と確実性を得られるようになり、承認に時間がかかっても良い場合は、取引手数料を節約できるなどの選択が出来るようになりました。

ビットコイン取引所

ビットコインを売買する場合、取引所と販売所(※ビットコイン販売所も参照)があります。取引所は株やFXのように客様同士の発注や取引を行うことができ、取引所の需要と供給の関係で価格が決定されます。日本円でビットコインを買うこともできれば、持っているビットコインを売って、円に替えることもできます。

ビットコイン販売所

取引相手が取引所などの運営会社となりビットコインの売買を行うことができます。ビットコインを購入、または売却を運営会社と行います。

Bitcoin ETF

Bitcoin ETFとは、ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託のことです。ETFは、「Exchange Traded Funds」の略で証券取引所に上場している投資信託を指しており、証券取引所に上場しているのため、株の売買と同じように証券会社を通じて取引ができるというメリットがあります。

投資信託は投資家から集めたお金をひとつの資金としてまとめて、運用の専門化が株式や債券などに投資や運用する商品です。ビットコインもそのような投資運用先として最近は注目を集めていいます。

ブロックチェーンの分岐(フォーク)

ブロックチェーンの分岐(フォークとも言います)とは、同時に複数のブロックが採掘されたり悪意のあるノードがネットワークを混乱させようとして、複数のブロックが同じブロックのあとに加えられるときに発生してしまいます。この際、ブロックチェインは分岐して次のブロックを作成する採掘者は、分岐したチェインの中から一番ブロックが多い枝を選び、そこに自分のブロックを加えるよう計算を始めるようにします。

枝の長さに一定以上の差がついた時点で短い方の枝は捨てられます。捨てられた方の枝を構成するブロックの採掘者は、報酬を受け取ることができなくなってしまい、採掘者が自分の枝のあとに他の採掘者が続くよう一番長い枝にブロックを加えるインセンティブをもちます。このインセンティブによって、一番長い枝に採掘者は集中して、チェインが分岐したとしても一つの枝に収束するようになります。

ライトコイン

Litecoin (ライトコイン)は仮想通貨の種類の一つです。ビットコインと同様にかなり安い手数料で、世界中の誰にでも即座に支払いを行うことができて人気の仮想通貨の一つです。ビットコインに比べると、採掘(マイニング)にかかる時間が短くすむので、ストレージの効率性に優れているのが特長です。発行の上限数が8,400万LTCでブロックの平均生成時間は2.5分となっています。

リプレイ・アタック

チェーンが2つに分岐後に、片方のチェーンで取引を行ったつもりでも、もう一方のチェーンにもその取引が反映され、例えば新ビットコインで1BTC送ったつもりが意図せず同じ額の旧BTCも相手に送ったことになってしまう可能性のこと。8月1日にこの問題が起こる可能性があるとされる。

P2P

P2Pとは、peer-to-peerの略で、インターネット上でやり取りをする際、一般的にはデータを保管・保存して提供するサーバとデータを要求・アクセスするクライアントとに分かれます。しかし、P2P型の場合、対等な関係にある端末間でデータをやりとりする通信方式で、Skypeなどのサービスがこれに該当します。

ビットコインはP2P型の通貨ですが、現行の円・ドルなどはクライアント(一般ユーザー)・サーバー(政府、銀行)型の通貨と言えます。

SegWit

隔離署名と呼ばれるSegWitは、ビットコインのいくつかある問題点の中のスケーラビリティ問題を解決できる方法の1つです。ビットコインブロックチェーンの容量サイズが一般で使われる決済システムより小さいため、今後起こるであろう問題で、ビットコインの流通量が増えると取引量が増えるので、今の容量サイズでは取引の遅延や停止が起こるのではないかという問題です。

その問題を解決するための1つの提案が取引のサイズ圧縮でこれがSegWitです。ブロックの大きさに関する制限を緩和する(具体的には、次の式によって定義されるブロックの重み (Block weight) を新たに導入する)ために 4MB までに制限します。ただし、単純にブロックサイズを大きくすると大きくしたブロックに繋がれた他のブロックにも数値を変更する必要に迫られて、ビットコインネットワークが壊れてしまう可能性もあります。

ですので、Segwitによりブロックサイズはそのままで取引のサイズを圧縮してまおうという考え方でサイズが大きくなったことと同様の意味を持つため、SegWitがスケーラビリティ問題を解決する方法として注目されています。

BIP148

segwitがロックインの状態(もうすぐ有効化される状態)になっておらず、segwitが有効化されていない場合に、segwitに賛成のシグナルを出していないブロックは不正と判定することで不正と判定するというのは、そのブロックのトランザクションは確定したとみなさず、そのブロックの後続のブロックを作らないようにすること。

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