ビットコインの分裂危機の影響は

昨日、8月1日に日本仮想通貨事業者協会に加盟する13社がビットコインの入出金、また決済機能を一時停止とする可能性があることを発表しました。取引再開の日時は現時点では未定としており、なぜこんなことになっているのか解説したいと思います。

なぜ、8月1日になったらBTC入出金が停止になるのか

ビットコインの需要が多くなり、今のままのブロックサイズでは取引データを記録するのにスムーズに処理できなくなってきつつあります。このブロックにたくさんの取引データを記録できるようにする仕組み(Segwit)の導入をユーザーの合意によって実施する提案がなされました。

より多くの取引をスムーズに処理できるようするため、ブロックに入るデータの量を現行サイズよりも大きくしたいのですが、その方法について議論をされている真っ只中です。このBIP148のやり方にも賛成する人、反対の人に分かれています。賛成する人が少なければBIP148はキャンセルされるので、8月1日には何も起こりませんが、仮に承認されるとビットコインが2つに分かれてしまいます。

こうなった場合、旧ビットコイン(現行のビットコイン)と新ビットコイン(BIP148でSegwitが有効になったもの)の2つに分かれてしまいます。この場合1BTCを持っていたら、ユーザーは1旧BTCと1新BTCの2つを持つことになります。2つとも持てるならラッキーだと思われるかもしれませんが、ビットコインの信用性が落ちるので、取引レートの急激な下落や最悪の場合価値がゼロになる可能性もあるので今回のブロックチェーンの分裂はリスクの高い状況だと言えます。

 ビットコインを持っている場合はどうするのが良いか

8月1日前後に何が起こるかについてはハッキリ言って誰もどうなるか予想がつかない状況です。いずれにしても8月1日前後の数日間、ビットコインでの決済や送受信をするのはきわめて危険なので、控えた方がよいでしょう。ビットコインのネットワークが混乱した状態で例えばビットコインを受け取ったとしても、後日その履歴が無効になるケースも想定されます。

スマホのウォレットアプリやハードウェアウォレット等でビットコインを自分で保管することが推奨されていますが、分からない場合や自分で管理する自信がないなら(ビットフライヤーコインチェックなどなら特に)取引所に置いておく方が良い可能性も考えれられます。

その場合は取引所の対応がどのようになるのかを確認する必要があります。自分が送金したいタイミングで送れない可能性も当然あります。昨日、日本仮想通貨事業者協会の会員の声明で8月1日のビットコイン取引の停止を発表していたのでコインチェックはそこからの停止が考えられますが、日本仮想通貨事業者協会に所属していないビットフライヤーは本日、 7 月 31 日 22 : 00 ~ 8 月 2 日頃(予定)と発表されました。複数に分かれた場合でもなるべくユーザーの混乱を避けるように対応する予定だと述べられています。

8月1日よりも前に準備すべきこと

そんな中、自分で準備できることはビットコインを自分で秘密鍵を持っておくタイプのウォレット(ハードウェアウォレット)に移動させておくことよいでしょう。長期間、ただ保管しておくつもりであればTrezor、Keepkeyなどのハードウェアウォレットに入れておけば安全に保管できます。

ペーパーウォレットに印刷する方法もあるにはありますが、かなり厳重にコンピューターのセキュリティ環境を整えておく必要があります。ですので、ハードウェアを入手してしまう方が簡単だと思います。また、スマホやパソコンのダウンロードできるタイプのウォレットもありますので、自分の状況に応じて保管するのが良いでしょう。

どのウォレットを選ぶにしても必ずバックアップは取っておくことです。

8月1日当日に出来ることは

Segwitを支持するシグナルを出していたら、プロトコルのアップグレードはスムーズに済む可能性が高く、このようなシナリオになれば、特に準備をしていなくても問題なく終えるでしょう。違う場合はブロックチェーンが分岐してしまう可能性がありますが、他にも以下のようなシナリオも考えられます。

8月1日に新BTCの方がたくさんマイニングされると、旧ビットコインのノードも、新ビットコインの方に移行することになってしまい、旧ビットコインは無くなり、一時的な分岐が起こりますがその後は通常通りビットコインが使えるようになります。

こうならなかった場合は、理論上、旧ビットコインのチェーンは破棄されてしまう可能性があります。時間が経てばそのリスクは改善されるでしょうが数時間、あるいは数日から数週間かかってしまう可能性もあります。

これらの状況が考えられるため、分岐直後に旧ビットコインを買ったり受けとったりするのはリスクが高いと言えます。もしも新ビットコインが旧ビットコインにとって代わる結果となってしまったら、旧ビットコインは消える可能性があります。

また一方で新ビットコインも使われ続ける保証もありません。これはどの仮想通貨にも言えることではありますが、マイニングの難易度調整が遅いこと、対立の可能性や旧ビットコインでSegwitが導入される可能性が残っていることを考えると新ビットコインを分岐直後に買ったり受け取ったりすることもリスクが高いです。

さらに「リプレイ・アタック」と呼ばれる問題も存在します。これを避けるために良いとされる方法は分岐後に状況が落ち着いたことが明らかになるまでビットコインの送受信を行わないことです。

ビットコインを保全するためにすることは

ずばりビットコインをきちんとウォレットで管理しておく、分岐直後はビットコインの送受信を控えることです。状況によっては混乱が起こらないこともあり、スムーズに進んで何事もなく終わる可能性もありますが、万一の事態に備えてこれらのポイントは押さえておいた方が良いでしょう。

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